この声で、キミに「好き」と伝えたい。

「あなたがしっくりきても、審査員も同じ気持ちとは限らないわよ。せっかくの歌声なのに、そのパートだけで台無しよ。それじゃあ、優勝なんてできないわ」


“優勝なんてできない”


その先生の言葉に、小林先輩の頬がわずかにピクリと動いた。


「わからないようなら……、雨宮さん!お手本に歌ってみせて」

「はっ…はい!」


先生に名指しで呼ばれ、反射的に立ち上がる。