この声で、キミに「好き」と伝えたい。

ママは、あたしのために言ったのかもしれない。

だけど、今ほしい言葉はそれではなかった。


「少し休みましょう」

「そういう日もある」


本当に自分でも涙の理由がわからないからこそ、ママにはこういった言葉をかけてほしかった。



少し腫れた目を前髪で隠しながら、夏期講習のレッスンがある学校へ登校する。


夏休みだというのに、学校はコンクールに向けて追い込む声楽学科の生徒ばかりだった。