「この僕がミス? ……ははっ、可笑しなことを。だが、聞いていたのなら話が早い。君は、ラッキーガールだ。たまたま僕に選ばれたことにより、人間としては破格の”チートスキル”を手にして転生が果たせるんだから、とびきりツイている。神から”チートスキル”を授かるなんて、普通に考えてまずあり得ない。本来なら僕に感謝して欲しいくらいだよ」
耳にした瞬間、背筋が薄ら寒くなった。怒鳴られたり、凄まれたりしたわけじゃない。むしろ、目の前の神様一年生の表情は柔和で、語り口は穏やかだった。
「選ばれた、ですって? ……あなた、まさか確信犯で私を?」
ゴクリとひとつ喉を鳴らし、掠れ掠れに問う。
「へー、君は人間にしちゃ察しがいいね。少なくとも僕の上司より、よほどに優秀だ。一年目じゃないと、こんなミスは許されないからね」
っ! 誰かに対し、存在そのものを恐ろしいと感じたのは初めてだった。私は、底知れぬ恐怖に怯えた。
耳にした瞬間、背筋が薄ら寒くなった。怒鳴られたり、凄まれたりしたわけじゃない。むしろ、目の前の神様一年生の表情は柔和で、語り口は穏やかだった。
「選ばれた、ですって? ……あなた、まさか確信犯で私を?」
ゴクリとひとつ喉を鳴らし、掠れ掠れに問う。
「へー、君は人間にしちゃ察しがいいね。少なくとも僕の上司より、よほどに優秀だ。一年目じゃないと、こんなミスは許されないからね」
っ! 誰かに対し、存在そのものを恐ろしいと感じたのは初めてだった。私は、底知れぬ恐怖に怯えた。



