しかし、俺はもう迷わない。ユーンデル国民を守るのは俺だ。
俺たち騎士団が、モッツァー皇国の侵略を許しはしない! ユーンデル国民は、俺が守る! 『ユーンデル王国を争いのない豊かな国にする』その志半ばで散った兄に代わり、俺が必ずなしてみせる――!
――コン、コン。
その時、居間の扉を打つ小さなノックが、俺のひとり思いを割った。
ハッとして上げた目線の先にフローラの姿を認め、開口一番で謝罪を口にしかけた。しかし、俺が最後まで伝えるよりも先、他ならないフローラ自身が俺の言葉を遮った。
そうして彼女が告げてきたのは、俺にとってあまりにも予想外の発言だった――。
***
居間に舞い戻ると、気持ちばっかりのノックの後で扉を開ける。すると、私が出て行った時のまま奥のソファに座っていたフレディが、ガバッと顔を上げた。
「フローラ! 先ほどは無理を言って、すまな――」
「いいってさ」
「うん?」
俺たち騎士団が、モッツァー皇国の侵略を許しはしない! ユーンデル国民は、俺が守る! 『ユーンデル王国を争いのない豊かな国にする』その志半ばで散った兄に代わり、俺が必ずなしてみせる――!
――コン、コン。
その時、居間の扉を打つ小さなノックが、俺のひとり思いを割った。
ハッとして上げた目線の先にフローラの姿を認め、開口一番で謝罪を口にしかけた。しかし、俺が最後まで伝えるよりも先、他ならないフローラ自身が俺の言葉を遮った。
そうして彼女が告げてきたのは、俺にとってあまりにも予想外の発言だった――。
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居間に舞い戻ると、気持ちばっかりのノックの後で扉を開ける。すると、私が出て行った時のまま奥のソファに座っていたフレディが、ガバッと顔を上げた。
「フローラ! 先ほどは無理を言って、すまな――」
「いいってさ」
「うん?」



