激おこ転生幼女のモフモフ無双!

 端からドラゴンの協力をあてにしていたとは思わないが、なにかしらの肩入れを期待していたのかもしれない。
 ユーンデル王国騎士団の騎士たちは精鋭揃いだ。個々の能力では、どの国の騎士にも兵士にも負けないという自負もある。
 しかしいざ全面戦争となれば、我が国の数的な劣勢は目に見えていた。この圧倒的な数の差にどう対応するか、俺や陛下は日夜頭を悩ませていたのだ――。
 そうして具体的な解決策に行きつかぬまま赴任したモーリダ領。苦慮する俺の前に救世主のように現れたのが、火、水、風、土の四属性の中で最も威力を持つと言われている火属性を示すピンク色のドラゴンだった。ドラゴンの協力が得られれば、数的劣勢は一瞬で挽回できる。
 俺は、豊かなユーンデル王国の国土を戦火で焼く事態を避けんがため、なんとしても彼らの協力が欲しかった。
 俺は陛下から、モッツァー皇国との戦争指揮における全権を委任されていた。彼らの協力を乞うことに、迷いは微塵もなかった。
 しかし俺の要請は、ドラゴンとの唯一の仲介者であるフローラに一蹴された。