俺が低く問いかければ、王妃様は高らかな笑い声をあげた。
……まさか、王妃様は気づいているのか?
俺が違和感を覚え始めたのが九年前。いよいよおかしいと、注意して観察を始めたのが八年前。
それ以降、俺は個人的な判断で騎士団の書記隊に命じ、正式な統計を取り続けていた。とはいえ、相手は人間など遠く及ばぬ雲上の神。統計結果から彼らの動向を知ったところで、それにどんな思惑があるのか、あるいは単なる偶然なのか、知る術はなかった。
「彼の領の上空付近を飛行するドラゴンが、十年ほど前から目に見えて増えている。私の体感では、十年前の三倍にはなっているのではないかしら」
なんということだ。王妃様はここまで詳細に把握しておられたのか……!
「ご指摘の通りです。年々ドラゴンの飛行頻度はあがり、今では十年前のおよそ三倍にまで及んでいます」
静かに答えながら、その観察眼に内心で舌を巻かずにはいられなかった。
「ほほっ。彼の領には、一体どんな秘密があるのかしらね?」
……まさか、王妃様は気づいているのか?
俺が違和感を覚え始めたのが九年前。いよいよおかしいと、注意して観察を始めたのが八年前。
それ以降、俺は個人的な判断で騎士団の書記隊に命じ、正式な統計を取り続けていた。とはいえ、相手は人間など遠く及ばぬ雲上の神。統計結果から彼らの動向を知ったところで、それにどんな思惑があるのか、あるいは単なる偶然なのか、知る術はなかった。
「彼の領の上空付近を飛行するドラゴンが、十年ほど前から目に見えて増えている。私の体感では、十年前の三倍にはなっているのではないかしら」
なんということだ。王妃様はここまで詳細に把握しておられたのか……!
「ご指摘の通りです。年々ドラゴンの飛行頻度はあがり、今では十年前のおよそ三倍にまで及んでいます」
静かに答えながら、その観察眼に内心で舌を巻かずにはいられなかった。
「ほほっ。彼の領には、一体どんな秘密があるのかしらね?」



