激おこ転生幼女のモフモフ無双!

 我が国は、北の大陸から大海に突き出るよう伸びたエスメラーダ半島の最南端に位置している。エスメラーダ半島にある四国の中で我がユーンデル王国は小国でありながら、南の海岸線にぐるりと沿うように細長く国土を有し、豊富な海産資源と希少な鉱物を潤沢に採掘できる鉱山を持ち、相対的に恵まれた環境下にあった。
 それを快く思わない西のモッツァー皇国皇帝が、我が国の豊かな資源を領土ごと奪い取ろうと画策していた。
 とはいえ、規模こそ我が国に劣るものの、彼の国も鉱山を有し、豊かな農耕地帯として栄えており、以前は友好的な関係を築いていた。それが、皇帝の代替わりによって一変したのだ。
 なんとか戦争という最悪の事態だけは回避しようと、これまで陛下は、彼の国との外交交渉に心血を注いできた。しかし、そもそもの戦争動機が、代替わりに端を発した無能な新皇帝の侵略衝動だ。陛下はここまで、理論的で粘り強い政治交渉でなんとか侵略を抑えてきたが、新皇帝を改心させることはできなかった。そしてついに、モッツァー皇国は侵略へと舵を切ってしまったのだ。