激おこ転生幼女のモフモフ無双!

「……ねぇスカーレット、どうして私の蒙古斑のこと、知ってるの?」
《だってあたし、実際の目で物を見てるわけじゃないもの。あたしたちには、この世のありとあらゆるもの、なんでも見えてるわ。あ、もちろん実際の目でだって見てるけどね。ふふふ、実際にこの目で見るチョコレートは堪らないわ~!》
 ……うん、わかった。もう、なにも驚くまい。
「そっか。それじゃあ、……はい! 最後のマシュマロを、チョコたっぷりでめしあがれ」
 一時間前は、山とマシュマロが盛られていた銀の皿。私はその皿にちょこんと残る、最後の一個にピックを刺して、たっぷりのチョコをまぶしてスカーレットに差し出した。
 スカーレットはパァッと笑みを弾けさせ、あーんと口を開きかけ……途中ではたと気づいた様子で、表情を引き締めた。
「スカーレット? どうしたの、食べないの?」
《だって、それが最後の一個だもの。それは、フローラのだわ》
 チラリチラリとマシュマロを見ながら、精一杯のやせ我慢で遠慮してみせるスカーレットが可愛くて、ニマニマと頬の緩みが止まらない。