激おこ転生幼女のモフモフ無双!

 スカーレットは、むしゃむしゃとチョコマシュマロを頬張る合間に、思い出したように隣国モッツァー皇国の状況を尋ねてきたりもしたが、基本的には食べっ放しだ。
 私はそんな彼女を前にして、いつか重量オーバーで空を飛べなくなってしまうんじゃないかと心配になった。それというのも、チラリと覗き見るスカーレットのお腹は、モフモフの体毛を抜きにしても、ぽてんとまぁるくでっぱっているのだから。
《え? あたし、食べても太らないわよ》
 スカーレットが私を振り返り、コテンと小首を傾げる。彼女は、チョコレートがくっ付いた口いっぱいにマシュマロを頬張って、両のほっぺたをぷっくりとふくらませていた。その姿は、冬眠前のリスを彷彿とさせた。
 ただし、目の前のリスもどきは、体長三メートルのベビーピンクのモッフモフなのだから、その可愛さたるや爆弾級だ。そして彼女の発言も、私に爆弾級の衝撃をもたらした。
「どういうこと!?」
 ギョッとして、思わずなでこなでこしていた尾っぽの先っちょを、ムギュッと握り締めてしまった。