激おこ転生幼女のモフモフ無双!

「モーリダ領主、俺の身分を秘す必要はない。これから、同じ屋根の下に住まうのだ。隠し通すことは難しいだろう。お嬢さんには俺が直接話そう」
 そう言って、フレデリック様は長い足で颯爽と窓際までやって来ると、窓前のママと場所を代わり、形のいい唇を開いた。
「はじめまして、お嬢さん。そして、我が目が信じられぬ思いですが、……はじめまして、大きなドラゴン殿。ユーンデル王国騎士団の騎士団長、フレデリック・アルデギスと申します」
 フレデリック様は、期待と好奇の篭った熱い眼差しでスカーレットを見つめた。
「きゅ(ふんっ。若造風情が気軽に話し掛けてこないでちょうだい)」
 うん? 私のみならず、ママにも好意的だったスカーレットだが、なぜか彼には辛口だった。
「はじめまして、フレデリック様。私はフローラ、こっちは友だちのスカーレットよ」
 ……スカーレットの言葉は、あえて通訳しなかった。
「あの、フレデリック様はさっき『同じ屋根の下に住まう』って言ってたけど、うちにお泊りするの?」