ヒラヒラと舞うリストを見るともなしに眺めながら、私はもうあの中から気に入りの子を選ぶことは……いや、あの子らに会うことすらできないのだな、そう思った。そのことが、死そのものよりも悲しくて、悔しくて……。
　それらの感情を抱いたのが最期。意識は白く塗られ、全ての感覚を失った。



「申し訳ありませんでした！」
　……ん？　誰かが、謝ってる？
「神様業は遊びじゃないんだぞ！　神様養成学校を出れば、お前も立派な神様の一員だ。一年目だからって、いつまでも学生気分でいるから、死亡リストにない人間を誤って殺すなどという初歩的なミスをするんだ。とにかく今回の一件は、東日本統括部長に報告し、既に指示をあおいでいる。『詫びとして、望むチートスキルをひとつ与え、転生を承諾させろ』とのことだ」
「え、課長？　……僕が、彼女に承諾させるんですか？」
　失ったはずの感覚が、ひとつ、またひとつと戻ってくるのを感じた。