激おこ転生幼女のモフモフ無双!


 せっかくだから、私はそのままスカーレットの背中に乗って屋敷に帰った。
「ただいま! ママ、お友だち連れてきた。お茶、くれる?」
 三メートルのスカーレットは、玄関から入るのが難しそうだと判断した私は、中庭から居間に回り込み、窓越しに室内のママに声を張った。
「あらあら、いらっしゃい。大きくて素敵なお友だちね~。お茶は桶でお出しすればいいかしら」
 おおっ! なんとママは、モフモフのドラゴンを前に寸分も動じない。ママはとっても強かった!
 それから、スカーレットの《ドラゴンは神獣で、動物にあらず》という言葉を疑っていたわけではないけれど、ママの動物アレルギーの重さを知っているからこそ、少し心配していたのだが、こちらについてもひと安心。窓辺に寄って来てニコニコと応じるママに、動物アレルギーの反応は出ていなかった。
 ちなみにママは、動物と五メートル以内に接近した瞬間、全身に発疹が出る。スカーレットが神獣でなければ、今頃ママは、全身の痒みに悶絶していただろう。