首の擦過傷が、影も形もなくなっていた。塗っている時は「治してあげたい」の一心で思い至らなかったが、この軟膏は私が調剤したものだった。
「私が作ったやつなのに、なんで効くの!?」
傷がきれいさっぱり消えたのだから、状況は既に、「効く効かない」の範疇を越えている。しかし、色々といっぱいいっぱいの私は、華麗にそこをスルーした。
《おかしなことを言うのね。あなたが作ったから、効くのよ! クッキーも、あなたが作ったものだから、こうして心が通じておしゃべりができちゃう! あたし、……ううん、あたしだけじゃない。あたしたちは、みんなそう。あなたの声は、あたしたちにはとても心地よく優しい調べ。あなたにひと撫でされたなら、夢心地に気持ちいい。あたしたちドラゴンはみんな、あなたが大好き》
ゴクリと、生唾をのんだ。
「私が作ったやつなのに、なんで効くの!?」
傷がきれいさっぱり消えたのだから、状況は既に、「効く効かない」の範疇を越えている。しかし、色々といっぱいいっぱいの私は、華麗にそこをスルーした。
《おかしなことを言うのね。あなたが作ったから、効くのよ! クッキーも、あなたが作ったものだから、こうして心が通じておしゃべりができちゃう! あたし、……ううん、あたしだけじゃない。あたしたちは、みんなそう。あなたの声は、あたしたちにはとても心地よく優しい調べ。あなたにひと撫でされたなら、夢心地に気持ちいい。あたしたちドラゴンはみんな、あなたが大好き》
ゴクリと、生唾をのんだ。



