っ! 『間違っても、人の身で、ドラゴンと関わろうなどと思ってはいけないよ――』こんなふうに、生まれた時からずっと、大人たちから念仏のように言い聞かせられて育ってきた。だけどそれは、私に限ったことじゃない。
人の身で彼らと関わりを持とうとすれば天から災いが降り注ぎ、その者のみならず、その者の住まう国までもが一瞬で滅すると、全ての国で等しく言い伝えられていた。
実際、過去にはこの言い伝えを破り、彼らに火を吐かれて焼き消えた国と、水を吐かれて水没した国があった。彼らは、その可愛いモフモフの見た目とは正反対の、苛烈な性質を持っているのだ。
ゆえに、どんなに彼らが強かろうが、どの国も彼らを従える気など毛頭ない。
……そう、これまでは、それが共通認識であったはず。しかし今、その掟を破ろうとする不届き者が、いや、……国が、現れたのだ――。
「きゅー、……スンッ、スンッ」
耳を打つ痛々しいすすり泣きにハッとして、束の間の物思いを中断すると、慌ててポケットに手を突っ込んだ。
人の身で彼らと関わりを持とうとすれば天から災いが降り注ぎ、その者のみならず、その者の住まう国までもが一瞬で滅すると、全ての国で等しく言い伝えられていた。
実際、過去にはこの言い伝えを破り、彼らに火を吐かれて焼き消えた国と、水を吐かれて水没した国があった。彼らは、その可愛いモフモフの見た目とは正反対の、苛烈な性質を持っているのだ。
ゆえに、どんなに彼らが強かろうが、どの国も彼らを従える気など毛頭ない。
……そう、これまでは、それが共通認識であったはず。しかし今、その掟を破ろうとする不届き者が、いや、……国が、現れたのだ――。
「きゅー、……スンッ、スンッ」
耳を打つ痛々しいすすり泣きにハッとして、束の間の物思いを中断すると、慌ててポケットに手を突っ込んだ。



