……神様一年生、いけ好かないあんたのことも、今なら諸手を挙げて許してやれる。
 私は息も絶え絶えになりながら、十歳にして悟りの境地に達していた。
「ぴぃ」
 驚き、叫び、その衝撃でアメちゃんを飲み込み、さらには悟りの境地まで拓いてみたりと大忙しな私をつぶらなおめめで見上げ、モフモフの赤ちゃんドラゴンが鳴き声をあげた。
 わ、わっ、わぁぁああぁぁああぁあ~~っっ! 反則級に可愛い、その鳴き声は反則だ――っっ!
 っ! やっぱり私、モフモフの赤ちゃんドラゴンを抱っこせずには死ねないよ! その成長を見守って、成長記録だって付けたいし……さっきのナシ! 今生に、まだまだ悔いや未練はありまくりだ――!
 私は悟りのフラグを引っこ抜いて放ると、早々に前言を撤回し、メロメロになって耳に反響する可愛すぎる「ぴぃ」にとろける。
 ……はぁ~。モフモフ赤ちゃんドラゴン、マジカワユス……。