私は今、フローラとしての人生を生きていて、”花子”の人生は既に遠い過去として昇華していた。
……ただし、神様一年生へのメラメラと燃えるような恨みつらみに関しては、そのまんま当時の熱量を保っている。再び見えた時、奴をギャフンと言わせてやるのが、私が密かに抱いている目標だった。
「おいしかった~! ごちそうさま、ママ。私、お散歩に行ってくるね」
こんがりと焼き上がったサクサクの香草入りクッキーをたらふく食べて、ご満悦で席を立つ。さらに、道中のおやつとして数枚をハンカチに包み、ポケットに忍ばせるのも忘れない。
「ええ。ただし、お散歩はお庭だけよ。最近は、モッツァー皇国が我が国に間諜を忍ばせているともっぱらの噂だから」
領主館は広い。そんな領主館のお庭だって、とーっても広い。だから、外に出なくてもお庭だけで十分に遊べちゃうのだ。
「わかってる、お庭の外には行かないよ。いってきまーす!」
心配そうなママに元気よく答えると、私は玄関から飛び出した。
「スンッ、スンッ」
……ただし、神様一年生へのメラメラと燃えるような恨みつらみに関しては、そのまんま当時の熱量を保っている。再び見えた時、奴をギャフンと言わせてやるのが、私が密かに抱いている目標だった。
「おいしかった~! ごちそうさま、ママ。私、お散歩に行ってくるね」
こんがりと焼き上がったサクサクの香草入りクッキーをたらふく食べて、ご満悦で席を立つ。さらに、道中のおやつとして数枚をハンカチに包み、ポケットに忍ばせるのも忘れない。
「ええ。ただし、お散歩はお庭だけよ。最近は、モッツァー皇国が我が国に間諜を忍ばせているともっぱらの噂だから」
領主館は広い。そんな領主館のお庭だって、とーっても広い。だから、外に出なくてもお庭だけで十分に遊べちゃうのだ。
「わかってる、お庭の外には行かないよ。いってきまーす!」
心配そうなママに元気よく答えると、私は玄関から飛び出した。
「スンッ、スンッ」



