「あれあれ! こりゃ香草茶だね。ありがたくちょうだいするよ。だがね、『弘法にも筆の誤り』って異国の言葉もある。誰だって、失敗くらいあるんだ。だから、たまたま失敗作のポンコツを作っちまったからって、モーリダ夫人も気落ちするこたぁないよ」
ママは、お婆さんの言葉に曖昧に微笑んで頭を下げた。
……ママに、失敗はない。失敗作のポンコツは、私が満を持して作ったそれだ……。
「ママ、私、全然ダメダメで……ごめんね」
お婆さんが帰った後で、ママのエプロンの裾を引く。
「まぁフローラ、なにを言うの。誰にでも、得手不得手はあるんだから、謝らなくていいのよ。……でも、そうね。ここで一旦、あなたの薬師修業は中止にしましょう。神様はきっと、あなたが薬師以外の道を歩むことを望んでおられるのだわ。その道を、これから一緒に探していきましょう」
それは、ママの代で、建国から続く薬師の技が途絶えることを意味していた。少しだけ寂しそうなママの笑顔に、胸が痛んだ。
ママは、お婆さんの言葉に曖昧に微笑んで頭を下げた。
……ママに、失敗はない。失敗作のポンコツは、私が満を持して作ったそれだ……。
「ママ、私、全然ダメダメで……ごめんね」
お婆さんが帰った後で、ママのエプロンの裾を引く。
「まぁフローラ、なにを言うの。誰にでも、得手不得手はあるんだから、謝らなくていいのよ。……でも、そうね。ここで一旦、あなたの薬師修業は中止にしましょう。神様はきっと、あなたが薬師以外の道を歩むことを望んでおられるのだわ。その道を、これから一緒に探していきましょう」
それは、ママの代で、建国から続く薬師の技が途絶えることを意味していた。少しだけ寂しそうなママの笑顔に、胸が痛んだ。



