身も蓋もなく返されて、不満から勝手に頬がぷうっと膨らむ。
 ……乙女に対してなんたる横暴! 同時に、こうなれば自腹で部屋を追加で取るのもやむなしと判断し、フロントに向かってターンしかける。
「ちなみに、これは部屋数の節約も兼ねている。急な滞在で宿の空室が限られていたため、騎士たちもほとんどが相部屋だ。だから、宿屋の主人に交渉しても、そもそも他に空室がない」
「っ! 淑女に男性と同じ部屋で一夜を明かせって言うの?」
「淑女?」
 フレディが私の台詞を反復し、フッとニヒルな笑みを浮かべる。
 その笑顔……妙に、イラッとする(怒)!
「淑女ならば、そもそも怒りにまかせてドラゴンで飛んでいったりしない。ゆえに、はねっかえりの君は俺と同室だ。ちなみに部屋割りについては、あらかじめ君のご両親にも許可は得ている」
「パパとママに!?」
 続く彼の言葉に、ギョッとして目を見開いた。