激おこ転生幼女のモフモフ無双!

「幼竜を拉致監禁するなんて許せない! 彼女がどんなに心細く不安だったことか……! そこで存分に反省するがいいわ!」
 ……幼竜? フローラが口にした聞き慣れぬ単語に首を捻る。
 しかしその正体はすぐに知れた。ボーボーと燃えるドリアナ城の脇で、体長一メートルほどのチビドラゴンが、脇目も振らずに菓子を貪り食っているではないか。
 さらに驚くことに、そのチビドラゴンはフローラが「爺や」と呼ぶドラゴンによく似た風体をしていた。ただしチビドラゴンは、竜柄こそ爺やとそっくりだったが、毛はツヤツヤで体格もコロコロとまん丸だ。
「ギュガァッ(おいマゴット! こんなところでなにをしている!?)」
 俺を乗せたブルーのドラゴン殿はチビドラゴンの存在に気づくや、急降下して嘶いた。
「ぎゅぁ(あ~、フレンドラじゃんか。なにってさ、ここね、おいしいおやつが食べ放題の天国なんだ。もっとも女王様がやって来たと思ったら、突然燃やし始めちゃったわけだけど……あ! これは、あたいがやっとこさ持ち出した菓子なんだから、分けてやんないぞ?)」