しかし俺はほんの数時間前、この稚い天使がドリアナ皇帝ゴンザレスに及んだ悪魔も真っ青な所業を目の当たりにしており、胸中は複雑だ。彼女は、俺には想像すら及ばない鬼の所業で皇帝ゴンザレスを文字通り丸裸にし、長く続いた奴の独裁政権を木っ端みじんにしてしまったのだから。
もしかして、俺は夢でも見ていたのだろうか。ともすれば、そんな思いすら浮かんでくる。
……いいや、あれは夢などではあり得ない。彼女のなした、現実だ――。
腕の中の天使を見下ろしてホゥッとひと息吐き出すと、二匹のドラゴンに礼を取り、宿に向かって足を進める。
フローラを起こさぬようゆっくりと歩きながら、俺は怒りの炎を燃やして飛び立ってゆく彼女を追いかけてドリアナ城へ行き、ドリアナ皇帝ゴンザレスをこてんぱんに打ちのめして戻ってくるまでの一連の出来事に思いを馳せた――。
◇◇◇
迷子のフローラを発見し、手を引いて団員らのもとへ戻る道すがら。彼女を保護してくれた老婆から掛けられた「若い、素敵なお父様」という言葉が、脳内でぐるぐると巡っていた。
もしかして、俺は夢でも見ていたのだろうか。ともすれば、そんな思いすら浮かんでくる。
……いいや、あれは夢などではあり得ない。彼女のなした、現実だ――。
腕の中の天使を見下ろしてホゥッとひと息吐き出すと、二匹のドラゴンに礼を取り、宿に向かって足を進める。
フローラを起こさぬようゆっくりと歩きながら、俺は怒りの炎を燃やして飛び立ってゆく彼女を追いかけてドリアナ城へ行き、ドリアナ皇帝ゴンザレスをこてんぱんに打ちのめして戻ってくるまでの一連の出来事に思いを馳せた――。
◇◇◇
迷子のフローラを発見し、手を引いて団員らのもとへ戻る道すがら。彼女を保護してくれた老婆から掛けられた「若い、素敵なお父様」という言葉が、脳内でぐるぐると巡っていた。



