激おこ転生幼女のモフモフ無双!

 着陸するとすぐに、俺は乗せてもらっていたペールブルーのドラゴンから飛び降りて、ベビーピンクのドラゴンのもとへ行く。そうして背上でコックリコックリと舟を漕ぐフローラを抱き取った。
「……ん? もう着いたの?」
 フローラが俺の腕の中で寝ぼけ眼を擦りながら、舌ったらずに問うてきた。
「もう少し眠っておけ。俺たちの泊まる宿に着いたら起こしてやる」
 腕に感じるふわりとした人肌の温もりと重みが心地よかった。
「ん……、わかっ……た」
 大立ち回りでよほど草臥れたのだろう。さくらんぼの色をした唇からは、すぐにスゥスゥと健やかな寝息が漏れはじめる。
 紫の宝石を隠す瞼には、髪と同じ月明りを集めたような金色の長い睫毛が影を落とす。淡く桃色に色づいた頬はふっくらとして、見た目にもそのやわらかさが伝わってきそうだった。
 腕の中の少女の寝顔は、まさに天使と呼ぶにふさわしかった。