そうして十歳に成長した私は、薬師としてママの技を継承するべく、日夜薬作りに励んでいた。ちなみに、先に説明した通り、パパは代々続く領主のおうちに生まれ、現在は押しも押されもせぬ領主様。そんなパパに嫁いだ薬師のママは、実はそんじょそこらの薬師とは一線を画した凄腕薬師だったりする。
ママは、ユーンデル王国建国から続く高名な薬師の系譜の末裔にあたる。その薬作りの技術は、決してママの代で潰えさせていいものではない。
となれば、当然、その後継者として娘の私に白羽の矢が立つわけだが……。
――ドンドンドンッ!
「ちょいとモーリダ夫人! 昨日もらった薬がちっとも効きゃしないんだ! 昨日一日様子を見たが、今朝も爺さんが痒みでもんどりうってる。半年前にも一度あった、あの時とピッタリ同じだ。悪いが、新しいのと交換してもらえんかね!?」
「すみません! すぐにお取替えいたしますわ」
ママは慌ててエプロンの裾を翻し、代わりの薬を取りに行った。
ママは、ユーンデル王国建国から続く高名な薬師の系譜の末裔にあたる。その薬作りの技術は、決してママの代で潰えさせていいものではない。
となれば、当然、その後継者として娘の私に白羽の矢が立つわけだが……。
――ドンドンドンッ!
「ちょいとモーリダ夫人! 昨日もらった薬がちっとも効きゃしないんだ! 昨日一日様子を見たが、今朝も爺さんが痒みでもんどりうってる。半年前にも一度あった、あの時とピッタリ同じだ。悪いが、新しいのと交換してもらえんかね!?」
「すみません! すぐにお取替えいたしますわ」
ママは慌ててエプロンの裾を翻し、代わりの薬を取りに行った。



