激おこ転生幼女のモフモフ無双!

「だけどその子が、一度は囚われたことに間違いはないと思うの。そうしてお城に戻っていないなら、今もまだドリアナ城にいる可能性は高いよ!」
《う~ん、まぁいいわ。フローラがそんなに言うなら、行ってみましょ~! ……あ、そうそう。ちょっとだけ、寄らせてもらうわね!》
「え?」
 言うが早いか、スカーレットが高度を下げる。眼下に見えるのは――。
「ねぇスカーレット、なんで港なの?」
 てっきり、真っ直ぐドリアナ皇帝ゴンザレスの根城に向かうものだとばかり思っていたら、なぜかスカーレットが漁港に降り立った。
《だって、アレを調達しなくっちゃ!》
「アレ?」
《ほら!? 漁師がグサッとやって「取ったどー!」ってする、アレよ!》
「もしかして、……銛!?」
《そうそう、それそれ! だってフローラが言ってたじゃない、「ドリアナ皇帝ゴンザレスを串刺しにしてやる」って!》
 ……それはたしかに、私が怒りに任せて叫んだ台詞だった。
 とはいえ、そこは言葉の綾。本気で串刺しは、考えていなかった……。
 むしろ、普通に焼いてしまっていいのだが……。