激おこ転生幼女のモフモフ無双!

 お別れの最後で、おばあさんが口にした言葉は小さくてよく聞こえなかった。
 だけど、私が問い返そうと口を開きかけたところで、妙に狼狽えた様子のフレディに繋いだ手をグンッと引っぱられてしまい、喉まで出かかった問いかけをみ込んだ。
「さ、さぁ、いくぞ! 隊員全員が、昼飯返上で君の捜索にあたっている! 戻ったら、君の口からちゃんと皆に、謝るんだ!」
「……おばあちゃん! 私は優しさとは対極にいるし、本当はおばあちゃんになにか言う資格もないの。だけどひとつだけ、約束するよ。……ウィリアムさんの仇は、絶対に私がとるから!」
「あらあら。お嬢さんは、大人しげな見た目に反して、ずいぶんと勇ましいのね。ありがとうね。その言葉だけで、報われる思いがするよ」
 私の言葉に、おばあさんは儚げに微笑んだ。そうして私はフレディに引き摺られるようにして、慌ただしくおばあさんの家を後にした。
 フレディの温かな手に握られていても、どうしてか指先に血の気が戻ることはなく、冷え冷えとしたままだった。
 そうして、フレディの先導で戻った山麓。