……そうだ。スカーレットは、ウィリアムさんを一瞬で焼いてしまうほど圧倒的な力を持つ。他の竜だって、身の危険に瀕すれば同じ行動が取れる。
ならば、最初に捕獲されたその子だってとっくに逃げているはずだ……。
「やっと見つけたぞ、フローラ!! どれだけ捜したと思っているんだ、このはねっかえりが!!」
後ろから声を掛けられてビクリと肩が跳ねた。振り返ると、頭から煙を出して、肩を怒らせたフレディが、仁王立ちで私を見下ろしていた。
「……あ、フレディ」
彼は私のことを厳しくひと睨みすると、おばあさんの前に進み出た。
「この度は、うちのフローラを保護していただいたようで、なんとお礼を申し上げたらよいか。本当にありがとうございました」
彼は深々と頭を下げておばあさんにお礼を伝えると、迷子の防止にガッシリと私の手を掴む。
「ずいぶんと若い、素敵なお父様だこと。お嬢さんお元気でね、さようなら。それから、もう迷子にならないようにね。……次に迷い込んでもきっと、私は食事に誘うことはできないから」
ならば、最初に捕獲されたその子だってとっくに逃げているはずだ……。
「やっと見つけたぞ、フローラ!! どれだけ捜したと思っているんだ、このはねっかえりが!!」
後ろから声を掛けられてビクリと肩が跳ねた。振り返ると、頭から煙を出して、肩を怒らせたフレディが、仁王立ちで私を見下ろしていた。
「……あ、フレディ」
彼は私のことを厳しくひと睨みすると、おばあさんの前に進み出た。
「この度は、うちのフローラを保護していただいたようで、なんとお礼を申し上げたらよいか。本当にありがとうございました」
彼は深々と頭を下げておばあさんにお礼を伝えると、迷子の防止にガッシリと私の手を掴む。
「ずいぶんと若い、素敵なお父様だこと。お嬢さんお元気でね、さようなら。それから、もう迷子にならないようにね。……次に迷い込んでもきっと、私は食事に誘うことはできないから」



