激おこ転生幼女のモフモフ無双!

「息子はこうも言っていたわ。『手持ちの甘味をエサに、いたいけな迷子の個体を捕まえて献上した。奴が最初にあんな行動さえとらなければ』って。あの時は一体なんのことを言っているのか、わからなかった。だけど、今なら想像がつくわ。竜捕獲に味をしめた皇帝が、類似の状況を作って二頭目の捕獲を目論んで息子に命じたのね」
 ……え? スカーレットの前にも、甘味をエサに捕獲された竜が?
 衝撃的な事実を目の当たりにして、体からスーッと熱が引いていき、目の前がチカチカと点滅を繰り返す。
「っ、おばあちゃん! 最初に捕らえられたその子は、今も皇帝のもとにいるの!?」
「さぁ、すまないが息子から聞かされたのはそれだけなんだ」
 勢い勇んで尋ねるが、おばあさんは緩く首を横に振る。
「だけど、仮にも相手は地上最強を誇る竜だからね。普通に考えれば、宮殿の一区画くらい破壊して逃げおおせているだろうよ」
 気ばかりが焦るが、おばあさんの続く言葉でほんの少しの冷静さも浮かぶ。
「そ、そっか」