自分で言うのもあれだが、 ママとパパの美男美女ＤＮＡを受け継いだ私は、淡い金髪に紫目をしたなかなかの美少女だった。かぼちゃパンツにフリフリのエプロンドレスという、この国の可愛らしい子供服を身につけた私は、前世の日本なら確実にキッズモデルとして雑誌の表紙を飾っていただろう。
　こんなふうに恵まれた容姿に転生させてくれた神様には、……恨みつらみしかない！
　それもそのはず、転生から十年を経て、私はいまだ念願のモフモフライフを叶えてもらっていないのだから――！
　ちなみに、私が十年の月日で弾き出した結論は、「偉そうなのは見掛け倒しで、奴の能力はへなちょこだった」と、こうだ。
　諦めたわけではないが、前世と同様に、モフモフライフは実家を出るまでお預けと腹を括った。