そんな青年の姿を、おばあさんは涙に濡れた目を細くして見つめ、テーブルを支えにして立ち上がった。そうして覚束ない足取りで戸棚に向かうと、引き出しから布包みを持って、戻ってきた。
「これを持っていきなさい」
「え!?」
おばあさんは布包みの中身を確かめることもせず、そのままそっくり青年に差し出した。
「私にそれを伝えるために、あなたは許可なく部隊を飛び出してきてくれたのでしょう? あなたに咎があってはいけない。これで馬を替えて、道中の必要品を揃えなさい。そして残りは、上官に握らせなさい。息子の死に、あなたが涙を流し、母である私に報せに駆けつけてくれた。そのあなたに、私から感謝以外のなにを伝えることがあるでしょう。ありがとう、生前の息子との友好に、……そして死後の計らいに、心から感謝します」
おばあさんは流れる涙はそのままに、一向に受け取ろうとしない青年の手に、布包みを握らせた。その手を上から包み込み、戴くように額に持ち上げて、深く頭を下げた。
「これを持っていきなさい」
「え!?」
おばあさんは布包みの中身を確かめることもせず、そのままそっくり青年に差し出した。
「私にそれを伝えるために、あなたは許可なく部隊を飛び出してきてくれたのでしょう? あなたに咎があってはいけない。これで馬を替えて、道中の必要品を揃えなさい。そして残りは、上官に握らせなさい。息子の死に、あなたが涙を流し、母である私に報せに駆けつけてくれた。そのあなたに、私から感謝以外のなにを伝えることがあるでしょう。ありがとう、生前の息子との友好に、……そして死後の計らいに、心から感謝します」
おばあさんは流れる涙はそのままに、一向に受け取ろうとしない青年の手に、布包みを握らせた。その手を上から包み込み、戴くように額に持ち上げて、深く頭を下げた。



