激おこ転生幼女のモフモフ無双!

 おばあさんの言葉の最後は、そもそも私に聞かせる意図ではなかったのか不明瞭で、途切れ途切れに聞き取れた部分も、てんで意味がわからなかった。
「いえいえ、今のはなんでもないの。忘れてちょうだい。さぁさぁ、スープが温まったわ。お昼ごはんにしましょう」
「わぁ! おいしそう!」
 小さく刻んだ野菜が浮かんだだけのスープは、決して豪華ではなかったけれど、体の内側に染み込んでいくように優しい味がした。
 ――ドンッ! ドンッ!
 スープが粗方食べ終わったタイミングで、玄関の扉がけたたましい勢いで叩かれた。
「あらあら、誰かしら? ……はーい! 今開けますよ」
 おばあさが席を立ち、立て付けの悪い扉を引く。
 同時に、転がるように、息せき切った青年が室内に飛び込んできた。ひと目見ただけで、青年の尋常ではない様子が見てとれた。
 青年の着衣はよれ、その表情は疲れ切っていた。彼がろくな休憩も取らずに、ここまで馬を駆け通してきたことは瞭然だった。
「こちらは、ウィリアムの実家で間違いないでしょうか!?」