激おこ転生幼女のモフモフ無双!

「ははっ! 騎士たちも通称『風攻めの刑』と呼んで恐れているが、体幹の強化にはこれ以上ないメニューだ。騎士らはもともとアウターマッスルは鍛えているから、後は上空でバランスを保持する体幹を強化する必要があった。見た目はアレだが、これはかなりインナーマッスルに効くんだ」
 そうこうしているうちにも、風にあおられた騎士がひとり、またひとりとバランスを崩して地面に落ちていく。
「ちなみに、訓練中は連帯責任。ひとり転がり落ちるごとに、漏れなく全員が時間延長だ」
「え?」
「五名が落下した。合わせて五十分の時間延長だ! 送風機のタイマーを五十分追加しろ!」
 驚く私を余所に、フレディは送風機を操作する係に向かって声を張った。
 その時、苦渋の表情を浮かべる騎士たちの中で、比較的余裕の表情を見せるユルグさんの唇が僅かに動くのを、偶然視界に捉えた。
「オニ」
 小さな悪態は音として届かなかったが、口の動きから彼が発した言葉が知れる。
「ユルグ、ずいぶんと余裕がありそうだな。よし、お前だけさらに十分の延長だ!」