中央広場には、偵察飛行で負傷した騎士と竜たちの救助テントが設置されている。竜たちについて、フレディから「重傷ではないらしい」と聞かされていたけれど、私はこの目で彼らの怪我の状態を確認し、手当てをしたくて堪らなかった。
「おい、フローラ!? ご両親がどんなに君を心配して待っているか、まだわかっていなかったのか! 今は一刻も早く屋敷に――」
「そんなことはわかってる! だけど私は、怪我した竜たちを放ってなんておけない! 誰がなんと言おうと私が家に帰るのは、この手でみんなの治療をしてからだよ!」
 私は横からあがったフレディの言葉を遮って、声を張った。
 フレディがパパとママ、そして私のことを思って忠告してくれていることはわかっていた。だけど私は、怪我で苦しんでるみんなを放って、ひとり温かい家に帰り、やわらかな布団で惰眠を貪るなんて絶対にできなかった。
《合点~、それじゃ中央広場に、ゴ~!》
 スカーレットは中央広場に竜首を向け、一直線に飛んだ。そうなれば当然、フレンドラさんもスカーレットに続く。
「お、おい!?」