激おこ転生幼女のモフモフ無双!

 鈍い音が響いたが、痛みは微塵も感じなかった。打ち付けた拳よりも、湧き上がる焦燥や憤りで、胸が焼かれるように痛んだ。けれど俺は、それらの感情をぶちまけたところで状況が改善しないことも理解していた。
 俺が脳内でこれから取るべき最善に考えを巡らせていると、ピンクのドラゴンの番で、訓練の際に俺を乗せてくれているペールブルーのドラゴンが、フローラたちの後を追うように庭から飛び立とうとしているのが、視界の端に飛び込んできた。
 俺は迷わず二階の窓から跳躍し、既に地面を離れていたペールブルーの尾っぽにしがみ付いた。ペールブルーのドラゴンは、ギョッとしたように俺を見て、煩わしそうに幾度か尾っぽを振った。しかし、俺が意地でも離さないと知るや、諦めたようにペイッと尾っぽを振り上げて、俺を背中に乗せてくれた。
「き、騎士団長!?」
 飛び立つ俺に気づいたユルグが、ギョッとして上空を見上げていた。
「ユルグ! 俺はフローラを連れ戻す! お前に一時的に竜騎士団の指揮権を与える! モーリダ領を守り切れ!」
「え!? ちょっ、えぇぇえええっっ!?」