激おこ転生幼女のモフモフ無双!

 肉球のおててにのせて差し出された、そもそも握ってるんだか握ってないんだかよくわからない、ぶきっちょな握り飯を目にした瞬間、涙がちょちょぎれる。先の言葉通り、心は天高くへとひとっ飛びだ。
 当然、窓の外で汗水たらして訓練に食らいつく騎士たちの存在だって、意識の彼方に吹き飛ぶ。
「くぅぅうう~っ! ありがとうスカーレット! いただきます!」
 一般的なモフモフはよく、人の手からエサをもらい、ペロペロと食べる。
 それが今、私はモフモフの手から握り飯をもらい、はぐはぐと食べているのだ。この逆転現象の及ぼす破壊力たるや、すさまじい。
 天高くへ飛び立った心は、そのまま宙をふわふわと遊泳中で、戻ってくる気配はない。
「おいしいわ! スカーレットが握ってくれたおにぎり、ものすごくおいしい!」
《うふふ。よかったわ~》
 私はスカーレットのおててにくっ付いた米の最後のひと粒まで、余すことなく食べた。