薄れゆく意識の片隅で、不遜に微笑む神様一年生の姿を見たような気がした。
「この僕に、こうも挑戦的な目を向けてきたのは君が初めてだよ。……その気骨、気に入った。望み通り、僕が知り得る中で最強で激カワのモフモフが住まう国に、君を送ってあげよう。もっともその国は、少しばかりきな臭い状況にあるんだけれどね。……さぁ、お手並み拝見といこうか、花子……いや、もうフローラかな」
 完全に光に包まれた後で囁かれた台詞は耳に届かなかった。
 ……誰でも最初は一年生。しかし、巡り巡る月日の先に、神界の頂点に立つ最強一年生と運命がクロスしたことは、果たして幸いであったのか――。
 誰のものともわからぬ脳内ナレーションも、聞こえたような聞こえなかったような……とにもかくにも、私の意識はここで完全にブラックアウトした。