「でも、そんな悠翔でも我慢してたんだ?」

「アハハ」

悠翔が就職してすぐ、あたしの妊娠が発覚した。
というよりも、大学在籍中にだ。
大学を辞めてもらうわけにはいかず、卒業をした後に報告をした

「悠翔は本当はもっと遊びたかったと思うよ」

「奈未?」

「あたしが婚約なんて言う言葉で縛って、
あたしが好きになって、今でも悠翔はあたしのどこを好きになったんだろうって
思うことが多くて。
でもそれでも、あたしは、悠翔を手放せなくて
子供が出来たら、もっと離れられなくなるのにそれでまた、縛っちゃった」

「奈未・・・」

「魔界の人間と普通の人間のハーフのあたしと
ただの人間の悠翔。
生まれてくる子供は、どちらかに寄るって善に言われた。」

「そう・・・」

「善は、良くしてくれる?」

「えぇ」

なら良かった

「夢。お願いがあるの」

「何よ?」

「もし、あたしに何かあったら、この子”たち”をお願い」

「もしって何よ!?」

魔界に居たら出産の時期には
魔力を使って母体に負担を掛けず子供を取り上げると言われたことがある。

でも、ここは魔界じゃない。人間界だ。こっちの出産は命懸けだと
聞いたことがある。

「へへっ」