爽斗side

陸「花凜、楓凜倉庫に行ったんだろ?」

花凜「うん…」

陸「どうだった?」

花凜「怖かった…」


やっぱりな…
奏斗からは聞いていたが…


陸「そうか…
 爽斗、あとで…」


どうせ、花凜のことだ…
親父は組長室に行けば絶対にいるだろう…
その証拠にさっき…
組長室から出てきたからな…


爽斗「分かってる。
 あとで、組長室に行く。」

陸「分かった。
 花凜、今日はもうゆっくり休みなさい。」

花凜「うん!」


そう言いながら花凜は…
壁つたいで部屋に行った…

それに、親父は組長室に行った…
まだ、組の仕事が残ってんだろ…

よし、俺もそろそろ行くか…

 コンコン

爽斗「爽斗です。」

陸「入れ〜」


ゆるい…ってことは…
やっぱり、花凜のことか…

 ガチャ

爽斗「失礼します。」

陸「爽斗、もうなんの話か分かってんだろ?」

爽斗「あぁ…花凜のことだろ?」

陸「そうだ…
 倉庫に連れていったとき、どんな感じだった?」

爽斗「倉庫に入ってきた時のことは、奏斗から聞いた…
 怯えてたそうだ…」

陸「そうか…
 姫として紹介する時は?」

爽斗「やっぱり、怯えてるように見えた…
 まぁ…花凜にしては頑張った方だな…」

陸「状況は分かった…
 ありがとな、爽斗。」

爽斗「あぁ…」

陸「アイツらは良い奴等だ…
 花凜にも、早く慣れて欲しいんだが…」

爽斗「そうだな…
 なぁ…親父…」

陸「なんだ?」

爽斗「今日の花凜を見てて、明日は車椅子の方が良いと思うんだ…
 でも、花凜は歩くって言ってる…
 どうしたらいい?」

陸「花凜にも何か考えがあるんだろ…
 花凜の希望だ…叶えてやれ。」

爽斗「分かった…」


今日の花凜は危なっかしかった…

だからこそ、明日からは車椅子で行動した方が良いと確信していた。

だけど、花凜は「明日も歩きで」と言った…

正直びっくりしたが、花凜の希望だ…

親父も花凜の希望だ、叶えろと言った…

俺も花凜の希望だし、叶えてやりてぇ…

みんなで見守っていこう…


爽斗sideEND