ガラッ! 突然聞こえた音に驚いてビクッと肩を竦めた。 「理乃」 私を呼ぶ声が聞こえた瞬間。 昨日の河野の後ろ姿を思い出したーー 私の名前を呼んだのは優弥だ。 琴美と二人だけのこの空き教室のドアを開けたのは優弥だ。 それが分かっているのに… 私は優弥でなく、優弥の横に立つ河野を見つめていた。