「どうしたの朝比奈くん!?」



「……べっ別に」



絶対に“別に”ではない動揺した様子で玉ねぎを拾う朝比奈くん。



「なんか顔も赤くない?」



「!! あっ赤くねーよ!」



「そう?あっもしかして部屋暑い!?」



「暑くねーよ!!」




朝比奈くんはなぜか怒っている。




「もしかして…ほんとはカレー嫌いとか!?」



「…好きだよ」





ため息をついた朝比奈くんが、玉ねぎをまな板に置いて、両手がじゃがいもと包丁で塞がっている私の口元に手を伸ばした。




「…てか髪食ってる」


「あ、うそ、ありがとう」




笑ってお礼を言うと、朝比奈くんはなぜか一瞬眉をひそめて




「…やっぱトイレかして」



そう言って足早に部屋を出ていった。





朝比奈くん、なんかちょっと変…たぶん、よっぽど早くトイレに行きたかったんだなー。