目を閉じた私の頬に、軽く朝比奈くんの手が添えられる。



距離が詰まる気配がして、チュ、と唇が触れたのはほんの一瞬。




ゆっくり目を開ける。



目を閉じる前より近づいた距離に朝比奈くんがいて、気まずそうな顔をしていた。




付き合ってからわかったことだけど。


もしかしたら朝比奈くん、キスとか、あんまり好きじゃないのかも…なぜかキスした後、いっつも気まずそうなんだもん。




でも私がしたいからするけど!!




「ごめんね朝比奈くん」



好きじゃないキスさせて…




「じゃあ私帰るね!また明日ねー!」



「あー…うん。また明日」




朝比奈くんにブンブン手を振ってから家に入る。





朝比奈くん。


朝比奈くんと付き合ってから、毎日がバラ色だよ。




いつもふわふわ、地上から3センチくらい浮いてる気分なの。




いつかちゃんとまた、地上を歩ける日は来るのかなあ。