朝比奈くんは一本路地を入った、人気の少ない静かな通りでようやく足を止めた。




手は繋がれたまま、何も言わない朝比奈くん。





…どうしよう…



手に心臓が移ったみたいに、ドックンドックンいってるんですけど!





「朝比奈くん…?」




呼ぶと、それに応えるようにキュッと繋がれた手に力が込められて。




ゆっくりと朝比奈くんが振り返る。




「…ごめん。邪魔した?」



「…え?邪魔って?」



「あいつ…四条とデートだったんだろ」



「え!?デートじゃないよ!?ただ友達として…会ってただけで」



「…そっか」



「…うん」




シーーーーン。



なんだろうこの重苦しい沈黙は!?




それに、私ついさっき、朝比奈くんへの気持ちを改めて自覚して、もう一回告白するぞ!って意気込んだばかりで



なんか恥ずかしくて朝比奈くんの顔が見れない…!!