何が…起こったの!?



私の胸の前でクロスされている手。


背中に感じる温もり。



頭の上からなんだか朝比奈くんの声がしたような…




「幻聴!?」



「本物だわ」




腕を取られて立たされる。




目の前には、少し息を切らせて私を見る朝比奈くんがいた。




ほ…本物だぁ…





「…え!?何でここに!?先輩とデートじゃ…」



「黙って」




朝比奈くんの静かで強い声に遮られる。




「…話したいことがある。来てくれる?」




そんな真剣な瞳で言われたら、頷くしかなくて




「…はい…」




パシッと強く繋がれた右手。



そのまま走り出す朝比奈くん。




えっと…




マジで何が起こっているの!?





蓮くんを振り向くと、ニコニコしたままヒラヒラと手を振られた。




なぜか私よりも状況が分かってるような顔してるけど…




何で!?学年首席だから!?