勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。

「あのさ、幸せそうにパンケーキ食いながら



答えることじゃないだろ。



好きでもないやつと結婚して、幸せになれるはずがないだろ?」




「だれとも付き合ったことがないから、よく分からないけど、



結婚してから相手のひとを好きになればいいのかなって」




すると、九条さんの強い瞳に見据えられる。




「彩梅、真面目な話、



もっとちゃんと恋愛して、色々な経験をしたほうがいい。



まだ18なんだから、これからどんな自分にだってなれるんだよ。



世の中のことをきちんと知ってから、自分がどうしたいのかを考えろ」




「でも、今、こうして九条さんと食事ができて、



パンケーキも美味しくてすごく楽しいから、もうそれだけで十分です!」





本心で言ったものの、



それきり九条さんが口を閉ざしてしまった。