勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。

「だれとも付き合ったことがないまま、


親の決めた相手と見合いで結婚するつもりなんだろ? 


所詮は政略結婚なんだぞ?」





九条さんを見つめて、こくんとうなづく。





「今時、そんなことを真剣に考えてる奴がいるんだな……」




考え込んでしまった九条さんに戸惑いながらも



パンケーキをぱくり。



うう、なんて美味しいんだろっ。




「本当にそれでいいの?」





「大変な時代を何度も乗り越えて今日にいたる西園寺家を、



私は誇りに思っています。



私は姉のように優秀ではないから、



会社を継いだりすることはできないけれど、



せめて、西園寺の家が望む方と結婚できればと、思っています」





「そんなこと、今から決める必要はないだろ」





「西園寺家のためにできることを、と思ってきたので。



んんっ! これも美味しい!」




すると九条さんが、長いため息。