夜になり、



俺の寝室に転がりこんできた彩梅を引き寄せて、



その額に唇を落とす。





「おやすみ、彩梅。自分の部屋で寝ろ」





「え?」





「俺があっちの部屋で寝てもいいし」





「別々、ですか?」





そんなしょんぼりした顔してもダメだから。





「俺も男だから。そんなカッコしてる彩梅と一緒にいて、



手ださない自信が正直ない」




風呂上がりの彩梅は、



俺のだぼだぼのパーカー一枚しか着ていない。





「私は、九条さんと一緒にいたいです」




目潤ませて、そんなこと言うなっつうの。





「ダメ、ですか?」





じっと彩梅と見つめ合って、はい降参。





ほっぺた膨らませて意地になってる彩梅に、勝てるはずがない。





「……いいよ、おいで」





ふにゃっと笑って、



嬉しそうにベッドに入ってきた彩梅を両腕で包む。




彩梅の甘い香りに、



ぶっとびそうになる理性を必死に保つ。




ホント、勘弁してくれ……





「……今日からここで一緒に眠ってもいいですか?」





「いいけど、知らないよ?」





「特訓しますっ。そのための花嫁修業なので!」




はあ。




天然爆弾め!




「いいコにしてろよ?」




「はいっ」




無邪気に笑った彩梅を引き寄せて、



彩梅のわがままな口を



いつもより長く、甘く、深くふさいだ。




すると、しばらく真っ赤な顔して



俺の胸に顔を埋めていた彩梅が、



ちょこんと顔を出す。




大きな瞳を潤ませて、



甘えた顔でなにを言うのかと思えば。




「九条さん、大好きです」




これ、俺の理性がぶっとぶのも、時間の問題だよな……