勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。

「う、うわあっ‼」




……ん?




「な、なんで彩梅が⁈」




……あれ、九条さんの声? 




……んん、



……夢?




「……彩梅?」




どこか遠くで響く九条さんの甘い声。




九条さんはいつもあったかくて、すごく優しい。




それに、いい匂いがする……




ぎゅっと、しがみつくと



こうして、トントンと背中をたたいてくれて、




頭をなでてくれる。




夢のなかでも優しいな……




幸せだな……




ぎゅぎゅっと九条さんに抱き着いて、ホッとする。




夢の中なら、たくさん甘えても、



きっと大丈夫……