真っ赤に染まっていく顔を両手で隠すと、



九条さんが視線を尖らせる。




「……彩梅のくせに、生意気なんだよっ!」




「ひゃあっ!」




九条さんに捕獲されそうになって、



するりと九条さんから逃げ出すと、



笑った九条さんにぎゅっと抱きしめられて、



そっと抱きしめかえす。





「九条さんが九条の家も大切だって言ってくれて、



すごく嬉しかったんです。



西園寺の家に生まれたから、



九条さんに出会えたのだと思うと、



やっぱり私にとって西園寺家は大切だから」




「そういう彩梅が好きだよ」




「私はどんな九条さんも大好きです!」




明るい月の光に照らされて、



九条さんと甘く笑い合った。