「お夕飯、食べていってくれればいいのに」




玄関で挨拶すると、彩梅がしゅんと肩を落とす。




「彩梅のお父さんがいるときに、また遊びに来るな」




勝手に上がり込んで夕飯まで食ってたら、



間違えなく殺される。




門まで見送りにきた彩梅の頭を軽くなでると、



彩梅が幸せそうに目を伏せる。




「彩梅、寝る前に電話するから、もう家のなかに入れ」




「はい。電話待ってます!」




飛び跳ねるように笑った彩梅は、



やっぱりちょっとだけコタロウに似てるかも。