目を丸くしている彩梅のおでこを



ピンっと指先で弾いた。




「痛い……」




「もう少し、自覚しろ、バカ」




ぷぷっと頬っぺたを膨らませている彩梅は、



俺が怒ってる意味もわかってないんだろうな。




はあああ。




「はい、起きて」




「は、はい」




真っ赤な顔しながらも、



相変わらず彩梅は無邪気に笑っていて。



ホントに勘弁してくれ。




そのとき、ガチャリと玄関の開く音。




「ただいまー、あら、彩梅?」




玄関から声が響いて、ほっと胸をなでおろした。