勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。

「彩梅ったら、せっかく告白されても、



真っ赤になってなにも話せないんです。



だから、九条さんが



このまま彩梅のことをお嫁にもらってくれたら、



私も安心して外部の大学に行けるんですけど!」




萌ちゃんまで、お、お嫁って!




それに……




「私、そんなに心配かけてる?」




外部の大学に行けないほどに?




「だって、彼氏とか全然興味ないでしょ? 



挙句に自分はお見合いで結婚するからいい、とか



時代錯誤のことを言いだすし。



そりゃ心配にもなるよ。



そんなに、のんびりおっとりしてて、



彩梅の大切な西園寺家を、



悪い人に乗っ取られたらどうするの?」




「彩梅、学校でも同じこと言われてんだな……」




呆れる九条さんに、がっくりと肩を落とす。




ホント、情けない。