勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。

「それじゃ、その子も連れてきたら? 



私、個人的に千里に相談したいことがあるの」




「彩梅は未成年だから飲み会なんて連れて行けない。



制服着てんだから、見りゃ分かるだろ」




未成年……




こういうとき、



自分が子どもだってことを思い知らされる。




「千里の親戚のコ?」




「高坂には関係ない。行くぞ、彩梅」





「可愛い子だね。高校生? 



千里も、子どものお守りを任されて大変だね」




そのひとに全身を見定められて、



視線を落とす。



せめて私服で来ればよかったな。




急に決まったことだから仕方がないし、



なにより高校生であることに変わりはないのだけど。




すると……




「彩梅はおれの婚約者だよ」




……え?